歴史のifはガチの勝負で描く――“戦国武将祭”プロデューサーインタビューRMT
コーエーが贈る、史上最大規模のイベント“戦国武将祭”が2010年3月6日、7日に埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催される。同社の主力コンテンツである“戦国”をテーマに、声優陣の朗読劇、豪華ゲスト陣が登場するステージ、そして武将ファイターたちのぶつかり合いといった、あらゆるエンターテイメントが集結。併催される“戦国楽市楽座”ではコーエーの最新ゲームの体験を始め、ここでしか楽しめないアトラクションも用意されている。今回、戦国武将祭のプロデューサーを務めるコーエー メディア事業部の坂本毅氏にインタビューする機会を得た。イベント開催までの経緯、見どころ、今後の展開などについて聞いた。FF11 RMT
――今回、戦国武将祭が開催にいたった経緯などを教えてください。
坂本毅氏(以下、坂本) 私の所属している部署では、ゲームのスピンオフ商品などを手掛けているのですが、そこでちょうど10年まえに当社の女性向けゲームをテーマにした“ネオロマンス”というステージを始めました。おかげさまで現在まで続く人気コンテンツになったのですが、一方でやはりコーエーと言えばやはり歴史ものが柱というイメージがありますよね。そんな中、“戦国ブーム”というのが昨年ごろから起き、またWiiの『戦国無双3』が去年の12月に発売、『信長の野望』も新作がひさびさにリリースされたといった好条件が重なり、ぜひこの機会に“戦国”をテーマにしたイベントに挑戦てみようと思ったわけです。
――実際にイベントが動きだしたのはいつごろからでしょうか?
坂本
さきほども述べたように、戦国ものでもイベントをやりたいという考えは以前からあったのですが、実際に「やろうか!」となったのが一昨年。実際に動き出したのは2008年の秋くらいですかね。
――今回はキャストがかなり豪華ですが、どういった基準で選んだのでしょうか?
坂本
声優さんについては『戦国無双3』で演じている方々。武将ファイターについては、『戦国無双』キャラクターのイメージに合っていて、かつ誰が見てもおもしろいと感じられるようなエンターテインメント性がある方を、専門のスタッフと相談しながら選びました。ありがたいことに、戦国武将がテーマのイベントをやりたい、と話した段階で皆さん「おもしろいね」と言ってくださって、出演者本人もみんなそんな感じで、お忙しいのですが「おもしろそうだから」と調整してもらいました。いまだかつてないメンバーが集まったな! と実感しています。
――武藤敬司選手が武田信玄を演じるなど、武将ファイターはどれも相性がいい感じですね。
坂本
武藤選手と武田信玄の組み合わせは、我ながら大成功でした(笑)。これはあとで知ったのですが、じつは武藤さんって山梨の出身で観光大使も務めているそうなんです。それで地元のお祭でも、実際に武田信玄として出演したことがあるんだとか(笑)。
――ちなみに、武将ファイターは全員プロレスラーですけど、個人的にプロレスがお好きとか?
坂本
そういう理由ではないです(笑)。今回、戦国武将でステージエンターテインメントをやるにあたって、まず「何を表現しようか?」と考えました。それで、武将たちが激突する興奮をステージで現すには、やはり格闘系アスリートのような存在自体に迫力のある方たちが競い合って勝敗を決するというのが最適かなと思ったんです。そういった経緯から今回のような構成になりました。
――各対戦カードは史実に沿った内容となっていますが、これだと結果が最初からわかってしまうと思うのですが……?
坂本
じつはそこが今回のキモでもあるんです。一般的な歴史関連イベントとコーエーがやるイベントの違いは“史実を変えてもいいかどうか”だと考えています。ふつう歴史を扱う場合は史実に沿わなければいけませんが、『戦国無双』、『信長の野望』を始めコーエーの歴史ゲームは史実を下地にしつつ、プレイヤーの判断で“if”の歴史も楽しめる。そのifを今回のイベントで表現したのが、武将ファイターたちの戦いというわけです。つまり、戦いが起こるまでの経緯は史実に沿っていますが、戦いが始まったらそこからさきの展開はすべてファイターたちに任される。
――ガチの勝負で、歴史の流れを決めるとうわけですね。
坂本
そのとおりです。試合後のシナリオは誰が勝ったかによって変わるので複数用意しました。対戦カード自体は決まっていますが、そこに乗っかってくるストーリーは変わってくる。だから、どういったステージになるのかは、その瞬間まで我々にもわからないんです(笑)。
――武将ファイターたちは、見た目や使う技も『戦国無双』のキャラに沿っているのでしょうか?
坂本
こちらから「戦国的な技で戦ってください」といった干渉はしていません。やっぱり勝負のカタルシスというのはガチの激突にありまから、そこは大事にしたい。ただ見た目はかかなりこだわりました。各選手のもとへ衣装スタッフが足を運び、採寸して衣装を準備していますから。また、入場シーンは本当に戦国武将を送り出す気持ちで演出しますから、かなり見応えのあるものになるでしょう。
――武将ファイターの戦い以外にも、さまざまなステージが行われるようですが、こちらはどういった内容になるのでしょうか?
坂本
ファイトだけですと、歴史の流れを表現するのは難しいですから、そこにいたるドラマの部分は声優さんなどが演じて“なぜ我々が戦わなければいけないのか?”といった形で盛り上げてくれます。佐々木希さんなどの姫武将も、ここの幕で登場する予定です。加えて、パフォーマーも出てきます。足軽たちの戦いをイメージして、彼らがアクロバティックなパフォーマンスを披露し、それらを経ていよいよ大将戦として武将ファイターたちが出てくるという流れですね。
――声優さんたちのライブステージもあるようですね。
坂本
一部の武将はキャラクターソングも出していますから、担当している声優さんによるライブになります。武将が歌うっていうのは、なかなかおもしろいかと(笑)。あと先日参加を発表したGACKTさんは『戦国無双3』のテーマソングとエンディング曲をご担当いただいているので、ライブではそちらを披露していただく予定です。
――声優さんたちはライブ以外に朗読劇もやったりするんでしょうか?
坂本
それはもちろんやりますよ。アフレコの現場を見学していて改めて思ったのですが、声優さんの演技って生で見ると圧倒されるものがありますね。今回は、我ながら「よくここまでの人たちが揃ったな」って思うくらいすごいメンバー(笑)。そういう意味で、朗読劇部分はいぶし銀的な、かみ締めるような演技を楽しむことができると思います。
――ちなみに舞台装置で、何かド派手なものとかあったりしますか? 空を飛んだり(笑)?
坂本
まずは、舞台自体がとにかく大きい(笑)。あとステージ演出を担当してくれたのが、ふだんはさいたまスーパーアリーナで格闘技のイベントを手掛けているところなので、空間を大きく使った派手な演出には期待してください。空を飛ぶかどうかについてはですね、詳しくは言えないのですが、近いことが……あるかもしれません(笑)。
――ステージあり、バトルあり、ライブありと盛りだくさんですね。
坂本
今回のイベントをひとことで言えば、戦国武将をテーマにした総合ライブエンターテインメント。そこにコーエーの枠をはめた感じです。信長にしても、世の中にはいろいろな信長がいますから(笑)、このコーエーという枠が意外と重要です。
――併催される“戦国楽市楽座”はどういった内容になるのでしょうか?
坂本
メインのほうがステージエンターテインメントという形式を取っているのに対して、楽市楽座は純粋に戦国のお祭りを表現しています。戦国時代とゆかりのある企業さんや団体に呼びかけた感じですね。
――概要を見ると、いろいろな地方の催しも盛り込まれているようですが。
坂本
戦国関連の催しって、ご当地ごとにやってはいるんですけど、一堂に会す機会ってまずありませんよね。そういう意味で、これを機に地方の方たちが「うちの武将を見てくれ!」といった具合に集まってくれればなと考えたんです。
――楽市楽座の中でもいろいろなステージがありますが、メインステージも含めてどうやって回るのがオススメでしょうか? プロデューサー的な視点で教えていただければ(笑)
坂本
メインのほうは午後4時開演で、楽市楽座のほうは午前11時から開いています。楽市楽座でのステージに関してはほとんどがメインステージの開演に合わせて終わります。なるべく早く来場するのがお得ですかね(笑)。ゲームファンの方に向けては、コーエー新作タイトルの試遊コーナーを用意しました。『北斗無双』が遊べますし、ネットワークも引かれているのでオンラインゲームも体験することができます。発売まえのものも含めて、新作タイトルが遊べます。
――物販コーナーはどのようなラインアップになっているのでしょうか?
坂本
当然、会場限定アイテムを用意しています。イベントオリジナルグッズはもちろんですし、一般販売されているものにアレンジを加えた商品なども。そのほか、コーエー関連に限らずありとあらゆる戦国グッズが揃っています。地方の催しに行かずとも、ここですべて揃ってしまうくらい(笑)。ちょっと変わったところだと、ソフトバンクBBさんがiPhoneの戦国武将モデルを出展しています。これは受注生産商品で、店頭などでは見ることができません。そういったレアな展示もあるので、会場を見てまわるだけでもかなり楽しめるんじゃないでしょうか。
――アトラクション展示の見どころはどこでしょうか?
坂本
アトラクション展示ですと、戦国デジタルアトラクション“貴殿の顔はどの武将?”がイチオシです。このイベントのためだけに制作したもので、顔認証システムを利用して、利用者の顔が『戦国無双3』のキャラクターで誰にいちばん近い顔かを教えてくれるんです。。
――ちなみに坂本さんは誰になりました?
坂本
私は武田信玄になりました……でも、あのキャラクター面を被ってるんですね(笑)。まあ、顔の輪郭なども判定していますから、そこが似ていたのかもしれません。
――ほかに、これはぜひ見て欲しいという展示などはありますか?
坂本
NHK エンタープライズさんにご協力いただいて、大河ドラマで使われた甲冑などを出展しています。最近で言えば『天地人』で直江兼続が被った“愛”の文字が描かれた兜とか。あとは、『信長の野望』シリーズの原画展。『信長の野望』シリーズのパッケージとかって、初代の生頼(おうらい)範義さん、長野剛さんともに、もともと油絵で非常に大きく描かれたものなんですよ。それを生でお見せするのは今回が初ですから、新旧どちらのファンにも楽しんでいただけるでしょう。
――かなり気の早い質問になるのですが、コーエーさんには“戦国”のほかにもうひとつ、“三國志”という歴史コンテンツがありますよね。そちらでもこういった大規模イベントをやろうという考えはあるのでしょうか?
坂本
“戦国”と“三國志”はコーエーの2本柱なので、今回ご評価をいただけるようでしたら、三國志のほうもぜひ挑戦したいなと考えています。
――最後に戦国武将祭の開催に向け、意気込みをお願いします。
坂本
いよいよ開催ということで、スタッフもいまかなり盛り上がっています。いろいろなものの要素を盛り込んでいますから、歴史が好きな方、ゲームが好きな方、どちらの人に来ていただいても楽しめることをお約束します。また、どうしようかな? と迷っている人は、まず楽市楽座のほうへ気軽に足を運んでいただければ。それでもしメインのほうも見たいと思ったら、チケットのグレードアップも可能ですから(メインステージのチケットが残っていた場合のみ)、ぜひ楽しんでください!
【戦国武将祭概要】
■開催日時:
2010年3月6日、7日/午後2時開場/午後4時開演
※公演の時間は変更になる場合があります。
■会場:
さいたまスーパーアリーナ メインアリーナ
■入場料:
VIP席(おみやげ付)/15000円[税込](残りわずか)
大名席(テラス席?飲み物付)/10000円[税込](残りわずか)
武将席(アリーナ席)/9800円[税込]
S席/価格7800円[税込]
CS席(カジュアルシート)/5800円[税込](完売)
※すべてのチケットで“戦国楽市楽座”に入場可能。
■チケット販売:
一般販売/2010年1月30日?
■出演者:
[司会]
杏、大東俊介、フットボールアワー(2010年3月6日のみ)、麒麟(2010年3月7日のみ)
[声優]
真田幸村役:草尾毅
織田信長役:小杉十郎太
上杉謙信、徳川家康役:中田譲治
伊達政宗、風魔小太郎役:檜山修之(2010年3月7日のみ)
明智光秀役:緑川光
豊臣秀吉、毛利元就役:石川英郎
本多忠勝役:大塚明夫
石田三成、柴田勝家役:竹本英史
浅井長政役:神谷浩史
黒田官兵衛、直江兼続役:高塚正也
前田利家役:小西克幸(2010年3月6日のみ)
加藤清正役:杉田智和(2010年3月6日のみ)
お市役:前田愛
甲斐姫役:鈴木真仁
[音楽アーティスト]
Phoenix 2:00AM feat.Ami Suzuki、Do As Infinity、alan、SHANADOO(シャナドゥー)、谷村奈南、GACKT
[姫武将]
佐々木希(2010年3月7日のみ)、水野裕子(2010年3月6日のみ)、次原かな
[ファイター]
武藤敬司、蝶野正洋、小島聡、カズ?ハヤシ、KAI、船木誠勝、飯伏幸太、AKIRA、稔、NOSAWA 論外、近藤修司、杉浦貴、高山善廣、高木三四郎、新崎人生、HARASHIMA、TAKA みちのく、青木篤志、石森太二
※出演者は予告なく変更になる場合があります。
※参加選手は負傷そのほかの理由により、一部変更することがあります。
【戦国楽市楽座概要】
■開催日時:
2010年3月6日、7日/午前11時開場/午後5時30分終了予定
■会場:
さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ
■入場料(コミュニティアリーナのみ):
前売り/1800円[税込]
当日/2000円[税込]
※小学生以下無料。
※中高生?シニア(60歳以上)は200円引き。
※“戦国武将祭”のチケットを持っている人は入場無料。
※“戦国武将祭”チケットへのアップグレード可能(当日差額精算。席数に制限があり)。
■チケット販売:
2010年1月30日?
※戦国武将祭の公式サイトはこちら
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